Amazonでの検索増加

2018年12月14日

何かを検索する場合、GoogleやYahooなどを利用するのが一般的だと考えられているが、最近のアメリカの消費者の傾向として、商品をオンラインで検索する場合は、次の各統計にあるように、まずAmazonで検索する消費者が増加している。

インターネットユーザーの商品検索         デジタルショッパーの検索、購入パターン

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(Adeptmind、2018年5月の調査より)                     (Salsify、2018年2月の調査より)

商品検索に関する他の調査でも、2015年はGoogleが54パーセント、Amazonが46パーセントのシェアであったのに対し、2018年はこれらの数字が逆転している。(Jumpshot、2018年第二四半期の調査より)

このように、Amazonでの商品検索が増加していることは、”商品購入 = Amazon”という図式が確立している現れであるとも言えよう。このような消費者の検索シフトは、マーケティング担当者にとって戦術を見直す必要性がでてくる可能性がある。つまり、GoogleへのSEO対策とともに、自社商品がAmazonの検索結果にてどのように表示されているのか認識する必要がでてくる。

Jumpshotの調査から、Amazonでの検索結果ページでの商品クリックは、3分の2以上が最初のページで、3分の1が最初の2行で行われており、検索結果の上位の商品を購入する傾向が高い。では、売り手からすると、どのようにして検索結果を上位に持ってこれるかがキーとなり、商品リストを改善するための一般的なガイドラインがAmazonから紹介されている。

Amazonの検索では、Amazonの子会社A9が開発した検索エンジンとそのアルゴリズムが使われ、消費者のキーワード検索に対し、テキストの一致、価格、在庫状況、販売履歴などの要因をもとに表示順番が決まる。 このアルゴリズムを理解することにより商品の可視性が高まり、売上高の向上へと繋がるが、商品データに関して次のような対応がのぞまれる。

1.商品名

たとえば、”Laura Ashley Sophia Collection 300-Thread-Count Pillow Cases (Blue、Queen、Set of 2)”という商品名は、ブランド、商品ライン、材質/主な特徴、色、サイズ、パッケージング/量、といった情報が網羅されており、単なる”Blue Pillow Cases”よりも検索上位にきやすい。また、これらの商品名は約60文字に収めるようにする。

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2.キーワードChart3

各書籍に割り振られているISBNのように、Amazonで販売される個々の商品には、Amazon Standard Identification Numbers(ASIN)という、商品を識別する10文字および/ または数字のユニークなブロックがつけられている。商品がカタログにアップロードされるときに新しいASINが作成され、商品詳細ページに商品のASINが表示される。ASINのカタログデータにキーワードを追加でき、そのキーワードの数、キーワードごとの検索量、リスティングの質などを把握できるページも提供しており、このデータをもとに、キーワードをよりよく改善する。

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3.検索ワード

商品データには、250バイト未満で検索ワードを追加することができ、次のように効果的な手法を参考にしながら入力する。

  • ブランド名、商品名、互換性のある商品名、ASIN、UPCコードなどのように、商品を識別できるものは含めない
  • 間違った商品カテゴリー、間違った性別など、不正確な、誤解を招く、または無関係なものは含めない
  • 過度に長いコンテンツは含めない
  • 商品名、ブランドなど他のフィールドですでに記載している重複した情報を含めない (検索リストの順番に影響しない)
  • 複数の検索ワードを入力する場合、最も論理的な順序にする
  • 新規、セール中、といった一時的なものは含めない
  • 驚くべきこと、良い品質、といった主観的なものは含めない
  • 一般的なスペルミスはしない
  • 本質的に虐待的または不快な言葉は含めない
  • ヘッドフォン商品にイヤフォンといった同義語を含めることは可

ところで、面白いことに、Amazonで検索している消費者は、Googleで検索したユーザーよりも購入に時間がかかっているというデータもでている。Amazonでの検索者が購入までに要する時間は平均25.9日間であったのに対し、Googleでの検索者は平均19.6日であった。5日以内に商品を購入している割合も、Amazonの19パーセントに対し、Googleでは35パーセントとなっている。このことは、おそらくAmazonが商品リサーチとしても使用されているのではないかと推測できる。 消費者はAmazonの豊富なユーザーレビュー、Q&A、イメージなどを見たうえでじっくり検討してから購入するのに対し、Googleでの商品検索は既に自分が望むものが決まっている消費者に利用されているのであろう。

(各イメージは、Amazonのホームページより抜粋)