知っておきたい英国4G事情 Q&A

Q. そもそも4Gとは？

携帯電話は通信方式や速度によって「世代 （Generation）」で区別されており、大きく4世代に分かれます。80年代に実用化されたアナログ方式を1G（First Generation）、デジタル方式になった世代を2G（Second Generation）、2Gと比較し高音質かつ高速なデータ通信を実現するW-CDMAやCDMA2000などの方式を3G（Third Generation）と呼びます。 4G（Fourth Generation）に該当する通信方式は、厳密には国際電気通信連合（ITU）が規定する4G基準（IMT-Advanced）を満たすLTE- AdvancedとWiMAX2の2種のみです。しかし、3Gからは発展しているが、4G の基準に満たない通信方式であるLTEやWiMAXも「4G」と呼称することをITUは認めており、多くの通信事業者はこれらを「4Gサービス」として提 供しています。英国では、2012年10月30日より通信事業者EEが「4GEE」という名称でLTEサービスを開始しました。

Q. LTEって？

LTEとは、Long Term Evolutionの略記で、上記の通り英国では4Gサービスとして提供されている、新しい通信方式です。3Gと比較した場合のLTEの大きなメリット は、その速度です。英国の3Gの平均通信速度が2.1Mbit/s（※）であることに対して、EEが予測する同社のLTEサービスの平均通信速度は 8-10Mbit/sと約4-5倍です。 ※2011年5月26日、英国情報通信庁が発表した調査結果

Q. なぜ、O2やVodafoneは4Gサービスを提供していないのですか？

これまで英国では4G向けの周波数帯が不足していましたが、テレビ放送のアナログからデジタルへの移行により、4Gに適している周波数帯の割り当てが可能 になりました。それを受け、電波の規制や各社への割り当てを行っているOfcom（英国情報通信庁）は2012年末を目処に4G向け周波数帯の競争入札を 実施することを発表。英国における大手通信事業者にはEE（T-MobileとのOrange合弁会社）、O2、Vodafone、Threeがありますが、同入札にはO2とVodafoneが参加を予定しています。

EEは、4Gサービスを提供するために必要な周波数帯をすでに保有しているため、Ofcomの承認の上4Gサービスの提供を他の通信事業者に先駆けて開始 しました。またEEはThreeに4G向けの周波数帯の一部を売却しましたが、Threeによる4Gサービスの提供に関する詳細は発表されていません。

Q. EE以外のプロバイダでも利用できるようになりますか？

O2、Vodafone、Three による4Gサービスの提供は、2013年5月以降の導入が予想されています。

Q. 4Gはどこでも利用できますか？

現在、EEによる4Gサービスが利用できるのは、Birmingham、Bristol、Cardiff、 Edinburgh、Glasgow、Southampton、Leeds、Liverpool、London、Manchester、 Sheffieldの11都市です。年末にはBelfast、Derby、Hull、Nottingham、Newcastleの5都市でも利用可能にな るとEEは発表しています。しかし、2012年11月1日現在では、同じ都市内でも場所によって電波強度が異なります。

EEの4Gサービス利用可能エリアの検索はこちらから

Q. 4Gサービス利用者は、4Gの電波が受信できないエリアでは、圏外になりますか？

4G電波が受信できないエリアでも、3Gや2G電波が利用できるエリアであれば、自動的に受信可能な電波を拾うので圏外にはなりません。

Q. 4G対応機種は何ですか？

現在、4Gに対応しているのはApple iPhone 5、Samsung Galaxy S III LTE、Samsung Galaxy Note II LTE、HTC One XL、Huawei Ascend P1 LTEの4機種のみです。

Q. コストは変わりますか？

2012年10月23日にEEが発表した、個人向けの4Gサービスの料金は少なくとも2年契約で月々£36。3Gサービスの場合、条件によっては月額£10以下のものがあるので、現在利用可能な4Gサービスは比較的高コストといえます。