JX Nippon Exploration and Production (U.K.) Limited – 基盤のクラウド移行

お客様プロフィール

JX Nippon Exploration and Production (U.K.) Limited 様

「Explore the Earth and Create Value」を理念として掲げるJX石油開発株式会社様(以下JX石油開発)は、エネルギー・資源・素材における創造と革新を通じて社会の発展と活力ある未来づくりに貢献することを使命とするENEOSグループ様の石油・天然ガス開発事業に注力しておられ、同社英国法人であるJX Nippon Exploration and Production (U.K.) Limited 様(以下JX)は、英国北海で探鉱・開発・生産・廃山までの一環した事業を運営しておられます。

課題・システム導入の背景

クラウド移行前は、オンプレミスのIT機器(サーバー、ネットワーク機器、ストレージ等)に加え、データセンターにも多くのIT機器を導入・自社運用されていましたが、業務要件へ対応する為に拡張してきたこれらIT環境が複雑なものとなっていました。そこで、運用効率を改善することに加え、災害や障害に対するIT基盤の堅牢性、事業継続、セキュリティ強化、柔軟な働き方の実現といった要素を考慮し、RASIS(注1)の向上を目指したIT基盤構築を検討した結果、マイクロソフトが提供するクラウドサービスであるAzureを主基盤として利用することが決定されました。

構築された基盤は、一部のデータの特性から、その一部をオンプレミス環境に残したハイブリットな環境となっています。今回のIT基盤移行により、RASISの向上が実現され、クラウドの特性である柔軟性や拡張性を活かしたシステム展開の礎を築くことができ、WFH(Work From Home)に対応するIT環境も短期間で整いました。また、IT基盤の構築と運用をNewton ITに依頼いただくことで、最適化されたシステム運用を念頭に置いた基盤の設計・構築を行うことができました。Azureを選択した理由としては、オンプレミスとクラウドのハイブリット環境の親和性、RASISの実現性、マイクロソフトが提供するサービス群との連携の容易性などが挙げられます。

注1)RASIS:Reliability(信頼性)、Availability(可用性)、Serviceability(保守性)、Integrity(完全性)、Security(機密性)

ご採用の理由

・JX 川上 俊介 様(Commercial Manager & Assistant to General Manager)

本案件自体には東京の本社在籍時から関わっていましたが、英国赴任と同時にクラウドへの移行検討が本格化しました。当時は、既存のIT環境が複雑かつ余剰になっているものもありましたので、シンプルでユーザーフレンドリーな環境にしたいと感じていました。しかし、それまで既存のオンプレ機器を中心として業務を遂行してきたことから、クラウドという新しい技術に移行することに伴うリスク等を慎重に検討するなど、熟慮が必要でした。私自身がITの専門知識を持ち合わせていないということもあり、本社の関係部と協力しクラウド移行についての社内合意を形成し、プロジェクトを実施する運びとなり、パートナーとして、在欧日系企業でのIT基盤構築経験が豊富でクラウドに関する知見と顧客視点を持ち、一緒に歩んでくれるNewton ITを選びました。

・JX石油開発株式会社 成田 清隆 様(デジタル推進部ITグループ マネジャー)

弊社では、グループ全体のデジタル化を推進する部署としてデジタル推進部が発足しました。なかでも私が在籍するグループでは、クラウド化を含めたITインフラの総合的な見直しを使命としています。2020年より長期ビジョンに基づき、デジタルトランスフォーメーションの道筋を示し、多様なデータとデータ分析プラットフォームを活用し、事業の効率化と顧客にとって画期的なサービスの創出に取り組むことを掲げています。英国拠点からAzureへの基盤移行について相談を受けた時、これは他の海外拠点に先駆けたクラウドファースト推進の事例になると確信しました。今後も体制を整備しながら、高度なセキュリティ対策も含め英国拠点には更なる先進事例を生み出し、付加価値の高い事業活動を推進してもらいたいと思っています。

稼働後の感想

Newton IT協力の下、移行検討本格化から僅か3ヵ月ほどでコアシステムのクラウド化を実現することができました。基盤のクラウド化というプロジェクトを通じて、NewtonITとはクライアント・パートナーという関係の垣根を超えたチームが生まれたと感じています。

Azureの優れている点は拡張性です。従来の様にメーカーやベンダーに業務を外注してリソースを用意するのではなく、Newton ITをパートナーとして共に要件を考え、協働し実践するプロセスを通じてスピーディーな構築を実現しました。勿論、Azureへの基盤移行プロジェクトのみではなく、他のプロジェクトも並行して取り組んでおり、限られた時間で成果を出すために、業務の進捗状況やシステム構成の設計などパートナーに任せきりにするのではなくお互いがフォローし合う、そんなチームが本プロジェクトを通じて形成されたと感じています。

また、短期間でAzureへのクラウド移行を果たせたことは、時間や機会といった意味を含む広義のコストという視点からも大きなメリットを生み出したと考えています。例えば、海外拠点の駐在員は定期的に入れ替わる為、ITに関する拠点情報の整備と引継ぎが重要事項の1つとなっています。クラウド基盤に切り替わってからは、ポータルにアクセスすれば帯域幅やストレージ等のキャパシティ増減をビジネス要件に応じ素早く柔軟に変更できる点においてオンプレミス環境と比較し優位性が高いと感じています。また、AzureがDR(Disaster Recovery)機能を利用しているので、災害等によりPrimary Siteがダウンしてしまうような場合も、ダウンタイムなくDR環境に切り替わり事業が継続できるため、コアシステムのクラウド化と同時にBCP対策もできたことは非常に良かったと考えています。

稼働直後は予期せぬ障害や問題が発生する場面もありましたが、その都度Newton ITの担当エンジニアが迅速に対応してくれたことにより、大きな問題に発展することなく安定的な稼働が実現できています。
折しもクラウド移行後のコロナ禍で大きくフィーチャーされることとなりましたが、これからの時代はパブリッククラウドの活用とセキュリティを強化することによって、柔軟な働き方ができる環境の整備が求められていると思います。クラウドをオンプレミス環境の代替で終わらせず、情報連携や業務効率化を目的とした円滑で横断的なコミュニケーションの実現するプラットフォームとして捉え、新たなデータマネジメントプロセスの構築などにも取り組んでいきたいと考えています。

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