モバイルバンキングにおけるAI搭載バーチャルアシスタント

2018年8月15日

アメリカの大手商用銀行の一つであるBank of Americaは、Fin Techの一環として、金融サービス分野で広く利用され始めている人工知能を搭載したバーチャルアシスタントを発表した。アメリカの商業銀行は、戦略的なイノベーションの実現のためAIアプリケーションへの投資を優先し、顧客へのサービス向上、業績の向上、収益の向上を図っている。中でも、顧客との接点においては、チャットボットと会話型インターフェースが、銀行業界における注力事項となっている傾向があるようである。

Ericaと呼ばれるこのバーチャルアシスタントは、2,500万人いるBank of Americaのモバイルアプリユーザーを対象とし、アカウント情報の確認やP2P決済等を実行可能とする。

Ericaは、Bank of Americaのモバイルアプリから音声、テキストにてインタラクティブな会話を実現し、さらに顧客との対話から学習するように設計されている。これにより、Ericaの銀行業務および金融サービスに関する知識は、顧客との相互作用によって増加し、時間が経つにつれて習慣を分析し指導することで、財務上の意思決定を助けるための洞察を得ることが可能となる。提供機能を継続的に拡張していき、将来的にはモバイルショッピングツールやデジタルモルゲージ体験などが追加される予定となっている。

現在、Ericaを利用して、次のような確認やトランザクションのサービスを24時間365日利用することが可能となっている。

  • アカウント情報
  • 取引状況
  • 請求書確認と支払い
  • P2P決済
  • デビットカードやクレジットカードの有効化やロック/解除
  • クレジットスコア
  • 特典内容
  • 問い合わせ

品質保証のため、Bank of Americaでは、Ericaと顧客の会話を記録・分析し、リスニングスキルの改善に務める。会話記録は90日間保存される。安全性に関しては、モバイルアプリやオンラインバンキングと同じ業界最高のプライバシーとセキュリティ機能によって保護されている。今のところ、英語のみ利用可能だが、スペイン語のサービス提供も予定している。

Bank of Americaは2016年、30億ドルのイノベーション予算をレポートしている。

Ericaの利用例 (Bank of Americaのホームページより抜粋)

1

 

 

 

請求内容確認と支払い

 

 

 

2

 

 

 

 

過去のトランザクションの確認 

 

 

3

 

 

 

 

 

デビットカードのロック依頼

 

4

 

 

 

 

 

P2P決済