デジタルビデオ視聴者の増加

2019年11月30日

全世界におけるデジタルビデオ視聴者は、次の表にあるとおり年々増加している。今年は、26億3,220万人が月に最低1回はストリーミングビデオもしくはダウンロードしたビデオを見ている。今後も年3 – 5%の成長率で増加し、2022年には30億人を超えると予測されている。今年は全人口の約35%がデジタルビデオ視聴者であるが、世界人口が初めて80億人近くになると推定されている2023年には、全人口の39%以上がデジタルビデオの視聴者となる。 11 table 1 地域別に見ると、次のグラフのようになっている。 11 table アジアパシフィックが他地域に比べて、圧倒的にデジタルビデオ視聴者数が多く、今年約14億3千万人、2023年には18億1千万人まで増加すると予測されている。次に視聴者数の多い地域ラテンアメリカの約5倍の大きさで、年成長率も約4 – 7%全世界を上回る成長率となっている。

サブスクリプションOTT (over-the-top、伝統的なブロードキャストを介さずにインターネットにてコンテンツを配信)は世界中で急速に成長しており、主にサブスクリプションOTTサービスが提供されている、ほぼすべての国でNetflixがリーダーとして主導している。一方、Netflix、YouTube、Facebookが禁止されている中国では、視聴者数、サブスクリプションOTTの採用、広告支出は、強力なデジタルおよびモバイルビデオオペレーションを提供するバイドゥ、アリババ、テンセント (3社を総称して”BAT”)の3社で主導されている。さらに、TikTok として世界的に知られている中国のショートビデオアプリのDouyinも、同様に成長している。

デジタルビデオ視聴者がNetflixのような有料プラットフォームに集まるにつれて、プラットフォーム提供側の収益化戦略も多様化し、少なくともアメリカ、イギリス、中国、カナダでは、収益のもう1つの柱として広告収入が成長している。

多くの地域では、動画広告の支出は視聴者の成長率よりも大幅に増加している。アメリカでは、2019年から2023年までのビデオ広告支出の年間平均成長率 (CAGR)が12.8 パーセントで、イギリス、中国、カナダでも同様の傾向となっている。LGのリサーチ機関であるZenithは、ビデオとソーシャルメディアを含むグローバルディスプレイ広告支出が、2021年までにテレビを抜き、広告支出の最大の要素になると予測している。