ハイブリッドクラウド

2021年7月25日

COVID-19のパンデミックにより、企業はクラウドの採用に向けたITイニシアチブの長期的な重要性に目を向けざるを得なくなったと言えよう。
事実、昨年末に発表された、クラウドコン ピューティングへの対応に関してさまざまな業界の企業におけるグローバルIT意思決定者3,400 人に対する調査結果がまとめられたNutanixの年次エンタープライズクラウドレポートによると、回答者の76%がパンデミックによってITに関してより戦略的に考えるようになったと報告している。

このレポートでは、現在のビジネスアプリケーションの実行場所、将来の実行計画、クラウドの課題、クラウドイニシアチブが他のITプロジェクトや優先事項とどのように重なり合っているか、COVID-19パンデミックが現在および将来のITインフラストラクチャーの決定に与える影響、およびそれによってIT戦略と優先順位がどのように変化する可能性があるか等について行なった調査結果が16ページにわたりまとめられている。

レポートによると、回答者の86%がハイブリッドクラウドを理想的な運用モデルとみなしている。
その理由として、ビジネス要件を実現するための俊敏性と柔軟性の向上、顧客およびリモート勤務従業員へのサポート向上、より強固なデータセキュリティがあげられている。パンデミック下においてテクノロジーを使用して生き残っている企業と、苦労している企業の違いは、その柔軟性にあるといっても過言ではなく、ハイブリッドクラウドへの期待値が高いようである。
とは言え、企業の現在と今後のITインフラストラクチャーに関するデータを見ると、下記グラフにあるとおり、現在は未統合の混合モデルの利用割合が26%ともっとも高くなっており、まだハイブリッドクラウド利用にまでは至っていない。

ただし今後3-5年後を見ると、ほぼ半数の企業が、理想的な運用モデルとみなされているハイブリッドクラウドへとシフトしていく。
ここでは、ハイブリッドクラウド管理ツールの供給や現在更なる進化を遂げているHCI (*)の利用増などが大きな役割を果たすものと思われる。

* HCI (ハイパーコンバージドインフラストラクチャー): サーバーとストレージを一つの物理デバイスに統合。ハイブリッド環境の容易な構築可能性に優れ、ワークロードに応じたインフラストラクチャーの変更が可能で、これによりパブリッククラウドに簡単に接続できるプライベートクラウド環境の構築、プライベートクラウド環境やオンプレミス環境がビジネスおよび企業の特定のニーズに最適な方法で実行されるようなハイブリッド環境の構築を容易にする。