RPA

2021年12月20日

ロボティックプロセスオートメーション (RPA)は、デジタルシステムやソフトウェアと相互作用する人間の動作を模倣(エミュレート)するソフトウェアロボットの構築、導入、管理を容易にするソフトウェア技術により、業務におけるワークフローを合理化し、組織の生産性、収益性、柔軟性、即応性を高め、現在最も成長しているエンタープライズソフトウェアの一つと言える。

ソフトウェアロボットは、人間と同じように、アプリケーションやシステムへのログイン、 ファイルやフォルダの移動、データの識別、抽出、コピー、挿入、フォームへの入力、定型的な分析やレポートの作成など、反復的な作業を人間の代わりに行うことができ、これにより定型業務を軽減し、イノベーション、コラボレーション、創造、顧客との対話などの付加価値領域に集中できるようになり、従業員の満足度、エンゲージメント、生産性を向上させることにも繋がる。

さらに、機械学習モデル、自然言語処理 (NLP)、文字認識、画像認識など高度なAI技術を組み込んだ高度なロボットは、テキストの解釈、チャットや会話、非構造化データの理解、複雑な意思決定、仮想デスクトップを含む画面の可視化など、認知的プロセスを実行することもできる。

RPAは、Eメールに対する自動応答を生成するような単純なものから、ERP(基幹業務)システムを自動化するようにプログラムされた数千台のロボットを配備するものまで多岐にわたり、またアプリケーションプログラミングインタフェース(API)や仮想デスクトップインフラ (VDI)、データベースへのアクセスを持たないレガシーシステムを含むワークフローの自動化にも最適なことから、デジタルトランスフォーメーションの加速にも役立つ。

RPAソフトウェアプラットフォームは、ERPアプリケーション、ユーザー企業が独自に開発したシステムなどを統合するインターフェースの組み合わせで使用する。

RPAでは、人間のプロセスやタスクをRPAソフトウェア言語でマッピングし、それに従うソフトウェアスクリプト (一般に”ロボット”または”ボット”と呼ばれる)を作成する。ボットの開発には、プログラミングによる方法と、RPAソフトウェアのプラットフォームに搭載されているプログラミングを必要としない構築環境を使用する方法がある。

現在、金融サービス、ヘルスケア、製造業、公共部門、小売業など、さまざまな業界の企業が、財務、コンプライアンス、法務、顧客サービス、オペレーション、ITなど、多様な分野でRPA を導入している。

CFOの視点では、RPAテクノロジーへの投資は他のエンタープライズテクノロジーと比較して、迅速なROIを実現し、最小限の先行投資で済むと考えられていること、CIO の視点では、RPAはほとんど混乱なく導入できると考えられていることが導入を促進している大きな理由と考えられる。RPAを導入することで、企業は人件費やヒューマンエラーを削減することができる。

RPAソリューションを提供しているMicrosoftは、自ら1,580万台のボットを導入し、毎日150万のアクションを実行している大規模なカスタムエコシステムを有している。
AzureベースのRPAサービスは、10億人が利用しているという。
このように業務改革の礎となり得るRPAである、導入にあたっては対象となる業務、アプリケーションを充分に吟味し、効果の有無を良く検討する必要がある。

当社ではNTTアドバンステクノロジ株式会社が開発・販売し、日本国内トップシェアRPA(*1)であるWinActorの欧州での販売も行っておりますので、RPA関連でのご相談、ご質問等、お気軽にお問い合わせいただければと存じます。

*1:デロイトトーマツミック経済研究所2021年1月22日発刊「ニューノーマル時代に拡大続くRPAソリューションの市場動向2021年度版」、MM総研による「RPA国内利用動向調査 2021」より。