ワークフローコラボレーション

2022年5月30日

ワークフローは、タスクの開始から完了までに必要な一連のアクティビティで、多くの場合において複数の部門や人が関与して、申請、確認、承認、決済などのアクティビティが行われる。反復可能なプロセスゆえ、フローとルールを決めシステム化することにより、人為的なミスの削減、プロセスの短縮化、生産性向上などの効果を得ることができる。
例えば、DocuSignなどの電子署名システムは署名をデジタル化することが主たる目的であるが、承認プロセスのフローをしっかり定義することにより機能することから、ワークフロー管理システムとも言えよう。行動履歴も記録されることから、不正防止にもつながる。

次に、組織やチーム内のコミュニケーションや情報共有をサポートするツールとしてコラボ レーションツールがある。ファイル共有、プロジェクトの進捗管理、チャットなどの機能に加えて、今ではウェブ会議システムの機能を含むものもある。有名なところでは、特に開発者間でのコラボレーションツールとして利用度が高いSlackなどがある。

また、調査会社のForresterが発行したEメールマーケティングに関する最新レポートによると、新しいカテゴリーとして、ワークフローとコラボレーションが合体した”ワークフローコラボレーション”が追加されている。
Forresterによると、ワークフローコラボレーションとは、Eメールマーケティング実施にあたり、運用、設計者、エージェント、ブランド、コンプライアンスチームなど利害関係者の間でのEメール作成の支援を行うもので、承認とコンテンツのアクセス許可を自動化するなど、コラボレーションツールとの統合により、Eメールメッセージの開発ペースのスピードアップと品質の向上を図る仕組みとして位置付けられている。

例えば、Eメールキャンペーンを実施する際、下図のように、マーケティングチーム、デザイナー、IT チーム、コンプライアンスなどの部門が関与して作業が行われるが、各部門間でのコミュニケーションは、Eメール、電話、SMS、Slack、ウェブ会議などさまざまなツールを使って行われているのが大半であると思われる。

そのため、コンテンツの共有ミス、担当者不在による進捗遅延などにより、当初の企画よりキャンペーンの品質が低下する恐れがある。ワークフローコラボレーションツールは、本番環境に対応したEメールを動的コンテンツ、メッセージング、ワークフローといったマーケティングテックの主要なツールとAPIにより容易に統合、 SlackやMicrosoft Teamsなどとの統合によるEメール作成におけるシームレスなコラボレーションの実現、事前に設定されたブランド独自の色やフォントやサイズなどの確認、免責事項やT & C (規約条件)といった変更不可の承認済みテキストや各国のスパム対策法やその他の重要な規制に遵守していることの確認などの機能を備え、プロセスのステップを減らし、大幅に時間を節約することが可能となる。
もし、Eメールキャンペーンをより効率化されたい場合は、検討の価値はあると思われる。