クラウドワークロードとセキュリティ

2022年6月30日

パンデミック全体を通じて、クラウド上でのワークロード(ここでは、わかりやすくアアプリ ケーションの稼働負荷と定義したい)が大幅に拡大している。Palo Alto Networksが2021年5月3日から6月1日までの期間、アメリカ、イギリス、日本、ドイツ、ブラジルの企業3,000社を対象に行ったクラウドネイティブセキュリティに関する調査レポートによると、クラウドでホストされているワークロードの平均は、2021年は前年の46%から59%へと増加した。さらに、ワークロードの半分以上をクラウドでホストしている割合は、2020年はわずか31%であったのに対し、2021年は69%へと大きく増加している。

クラウドの独自の機能が進化し続けるにつれて、ビジネスを前進させるためにクラウドを採用する方法も進化している。パブリッククラウドとプライベートクラウドの利用比率を見ると、プライベートクラウドの利用が55%と、2020年から7ポイント増加している。

これに加え、クラウドセキュリティへの投資も安定化傾向にあり、クラウド予算の20%以上をセキュリティに費やしている企業の割合は、2020年の4%から2021年は15%と大幅に増加している。企業はまた、クラウド環境を拡張するにつれて、クラウドセキュリティソリューションの統合も行なっている。セキュリティベンダー1~5社を使用している企業は、2020年から27ポイント増加して68%となったのに対し、6~10社のベンダーを使用している企業は2020年から19ポイント減少している。

クラウド利用の拡大に伴うセキュリティ対策強化は、多くの企業において重要な経営課題の1つとなっており、昨今の企業ITを取り巻く環境を考慮すると、セキュリティ対策、運用をより効率的に行う為、最適なソリューションを組み合わせ、統合する動きが進展すると思われる。

尚、欧州で事業展開している日本企業の多くは、日本本社に比較するとセキュリティ対策・運用に投下できる人的リソースが限られ、セキュリティ強化における課題の1つとなっていたが、昨今、日本本社主導でセキュリティ対策を強化することを念頭に置いたクラウド化が進んでおり、海外拠点におけるセキュリティ上の課題解決に向けた動きが今後も進んで行くと推察される。