日本で話題のGXとは?各地での取り組みをご紹介
2022年7月29日
昨今DX(デジタル・トランスフォーメーション)が脚光を浴びていますが、日本では新たに「GX(グリーン・トランスフォーメーション)」という用語が普及しつつあることもご承知かと存じます。GXの「温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギーなどのグリーンエネルギーに転換し、地球環境を変革させる」という概念を企業経営に反映させる動きが加速しつつあります。
EUによる枠組み作り
温室効果ガスの削減やカーボンニュートラルに向けた取り組みやルールづくりは、世界的に見ると欧州連合(EU)がリードしています。2021年にEUは、2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を達成するための一連の計画を発表しました。また、同じタイミングで2035年にガソリン車などの新車販売を禁止する方針も打ち出しています。
GAFAの取り組み
米国の主要IT企業GAFA各社でもGXに関する取り組みが活発化しております。例えばGoogle社では、すでに2007年にカーボンニュートラルを達成、2017年には世界中の年間消費電力の100%を再生可能エネルギーで賄っていたそうです。そして「2030年までに24時間 365日カーボンフリーエネルギーで事業を運営する」ことを目標としています。Google社のインターネットサービス運営に掛かっている莫大な電力を全てカーボンフリーとすることは、まさにビジネスモデルの大変革といえるのではないでしょうか。
また、Amazon社では2040年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることに加え、さらに、2025年までに、すべての事業で再生可能エネルギーの電力比率を100%に到達させることを目標にしています。その施策の一つとして、自ら開発に参画した完全電動配送車を10万台購入する予定です。こちらもビジネスの核となっている配送業務における抜本的な改革ということができます。
(参考)
カーボンフリー エネルギーにおける Google の取り組みの進展 – Google のサステナビリティへの取り組み (sustainability.google)
Amazon
環境への取り組み – About Amazon | Japan
日本の取り組み:GXリーグ発足
日本においては2020年に菅政権が国内の温暖化ガスの排出を2050年までに「実質ゼロ」とする方針が発表し(2050年カーボンニュートラル宣言)、2022年2月1日、経済産業省 産業技術環境局より『GXリーグ基本構想』が発表され、2022年6月10日GXリーグのキックオフイベントが開催されたところです。
GXリーグとはGX企業が産官学と協働する場
2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GXヘの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が同様の取組を行う企業群を官・学と共に協働する場が、GXリーグです。
引用:GXリーグ設立準備公式WEBサイト (gx-league.go.jp)
まとめ
環境問題と経済成長を相反するものとして捉えたり、環境問題に対して慈善的な取り組み姿勢をアピールするだけの時代は終わりました。今では環境問題に正面から取り組むことが新たなビジネスチャンス創出の鍵となっています。また、環境問題に本気で取り組まない企業は、金融機関などから持続的な成長が見込めないと判断され、資金調達困難やサプライチェーンから追放されることもあり得ます。
今後、IT部門におかれましても、「カーボンニュートラル」という新たな指標でソリューションやITパートナーを選定する日がそう遠くないかもしれません。