Microsoft Copilot for Microsoft 365

2023年12月16日

Microsoft 365をお使いの方は多いと思うが、そのMicrosoft 365にAIを組み合わせて、より生産性を高めるツールとしてMicrosoft Copilot for Microsoft 365がある。今回は、このCopilot for Microsoft 365に関して、Microsoftのホームページにある紹介コンテンツを参考にして簡潔にお伝えしたいと思う。

Copilot for Microsoft 365は、Microsoft 365, Microsoft Graphおよび大規模言語モデル (LLM – Large Language Models)の3つのコンポーネントの中心に位置し、データを理解し、生成し、データから意味のある情報を引き出して、パーソナライズされた支援を提供する仕組みとなっている。LLMは膨大な量のデータで事前トレーニングされた非常に大規模な深層学習モデルで、その強みを、アクセス許可のあるEメール、チャット、ドキュメント、予定表などのコンテンツを有するMicrosoft Graph内の独自のビジネスデータにもたらす、AIを活用した高度なオーケストレーションエンジンである。これにより、Microsoft 365のOutlook、PowerPoint、Word、Excel、Teamsなどのアプリケーションにて、新しいコンテンツを生成し、適切な提案を提供し、プロセスをより効率的にすることで、ユーザーの時間を節約することが可能となる。例えば、それぞれ次のようなことが可能となるとMicrosoftは紹介している。

  • Outlook: 大きなEメールスレッドの内容を要約
  • PowerPoint: 文字数が多いスライドを簡潔な箇条書きにすることで内容を分かり易くすること等、視覚的で訴求力のあるスライドをより効率的に作成することを支援
  • Word: 分析情報を提供することによる文書作成の効率及び品質向上を支援
  • Excel: 複雑なデータセットの分析と自然言語クエリによるレポートの作成を簡略化することで、インテリジェントデータの処理を容易にする
  • Teams: 効率的なチャットとオンデマンド会議の分析情報を通じて共同作業を最適化し、チームワークの生産性を高める

またCopilot for Microsoft 365は、セキュリティ、コンプライアンス、プライバシーに対する Microsoftの包括的なアプローチに基づいて構築されており、アクセスが許可されている情報にのみ基づいて応答が生成される。これは、セキュリティで保護されたデータアクセスのための堅牢なフレームワークであるMicrosoft Graphを通じて実現される。そのため、Copilot for Microsoft 365の強力な機能は、企業のセキュリティおよびプライバシーポリシーに常に適合しており、安心して利用できる。

Copilot for Microsoft 365を利用する際のフローは次のようになっている。

  1. ユーザーは、WordやPowerPointなどのアプリケーションで入力を行ったり、質問をしたりする。
  2. Copilotは Microsoft Graphを参照して、ユーザーの組織から関連データを収集する。ここでは、Microsoft 365の役割とアクセス許可に基づいてユーザーが表示をすでに許可されているデータにのみCopilotがアクセスする。また、ユーザーのデータをサポート技術情報の文書などの他の関連ソースと組み合わせて、より正確な回答が得られるように質問を絞り込 む。応答は一般的なものではなく、具体的でユーザーのタスクに関連したものとなる。
  3. 改善された入力に基づいて、CopilotはLLMを参照して、最初の回答を生成する。ChatGPTなどのモデルを含むLLMは、生成AIの一種で、トレーニングデータから学習したパターンに基づいて新しいコンテンツを作成することができる。
  4. この回答をユーザーに送り返す前に、CopilotはMicrosoft Graphに対するさらなるチェッ ク、責任あるAIプラクティスの評価、セキュリティ評価、コンプライアンスチェック、回答を実行可能なコマンドに変換する作業などにより回答をさらに洗練させる。
  5. 最後に、Copilotは、実行可能なコマンドと共に、正しい形式の関連性の高い提案をユー ザーに提供する。ここでは、表示される結果はユーザーの組織の特定のデータと密接に関連しており、関連性とコンテキストが保証される。

この便利なMicrosoft Copilot for Microsoft 365は、Microsoft 365 E3またはE5のライセンス、もしくはMicrosoft 365 Business StandardまたはBusiness Premiumのライセンスを導入することで利用できる。日本語のサポートはあるが、現時点でExcelのみサポートされていない。